コンチネンタルタンゴ/想い出のゲッツィ

真理英弁、レコード 004

「夕ぐれ」「奥様お手をどうぞ」「ニーナのような娘」「ブルー・ドリーム」「小雨降る路」「オードンナ・クララ」「想い出」「夜のタンゴ」「黒き汝がひとみ」「小さな喫茶店」「モンテカルロの一夜」「夕闇」ザ・コンチネンタル・タンゴ・オーケストラ コロンビア Ys-3712

 

真理英弁、レコード 001

コンチネンタル・タンゴ 想い出のゲッツィ 第2集

「碧空」「真珠とり」「イタリーの庭」「ジプシーの嘆き」「バラのタンゴ」「ラ・クンパルシータ」「ヴィオレッタに捧げる歌」「ジェラシー」「かわいいヴァイオリン」「夢のタンゴ」「ポエマ」「ラ・オジータ」ザ・コンチネンタル・タンゴ・オーケストラ コロンビア Ps-3003

「コンチネンタル・タンゴ」と言えば今日でもバルナバス・フォン・ゲッツィの演奏を思い浮かべる人も少なくないであろう。我が国において「コンチネンタル・タンゴ」のイメージはゲッツィによって形成されたと言っても過言ではあるまい。この2枚のLPは1960年代初頭に当時の我が国でゲッツィを敬愛する音楽家たちによって制作されたものである。編曲は、「夕ぐれ」や「想い出」などはゲッツィ自身によるものとほとんど同じであるが、「碧空」などはかなり違っているし、ゲッツィが録音しなかった曲もあり、いろいろである。しかし総じて上品で格調高くゲッツィのマネというよりもその精神を生かしたものといえよう。演奏も当時の我が国一流のプレーヤーたちからピックアップしたメンバーによるものらしくなかなか見事である。ただゲッツィほどあたたかいロマンティクな雰囲気はなく、感触はもっとクールであるが、これは時代の違いというものであろう。また、独奏ヴァイオリンにはさすがにゲッツィほど、心に沁みこんでくるような魅力はないが、これは致し方あるまい。録音も鮮明で申し分なく日本ならではの優れた企画として高く評価したい。(文・中西康雄)