その昔、竜神さまの使いの白蛇がわき水に宿っていたそうな。
白蛇はわき水を守りながら住んでいた。
わき水はだんだん、みずかさを増し、やがてはふろおけになるくらいだった。
白蛇はわき水を守りながら住んでいた。
わき水はだんだん、みずかさを増し、やがてはふろおけになるくらいだった。
ある日、竜神さまが白蛇にこう告げた。
「おまえ独りでは大変だろう。」
一瞬にして、目の前に二十四人の天女がわき水のところに舞い降りてきた。
天女たちは一生懸命わき水を守り続けた。 白蛇も一緒に守った。
あるとき、白蛇は傷を負ってしまった。白蛇は大変苦しんだ。
竜神さまが
「わき水にふれろ。」と言った。
白蛇がふれると、不思議と傷が治った。
天女も白蛇も大変喜び、わき水に感謝し、その後もずっと一生懸命守り続けた。
月日がたち、須賀谷の地にいくさがおこった。
武将たちは傷を負い、女たちはその姿に心を傷めた。
武将たちは、このわき水で傷を癒し、女たちは心を癒した。
白蛇や天女たちはその姿に涙しながらも、わき水を守り続けた。
いくさが終り、月日が経った。
わき水は、その後も白蛇と天女たちに守られ、絶えることはなかった。
今に至り、このわき水は須賀谷温泉として知られ、人々のからだや心を癒し続けている。
文 なかにしまり